GACKTさんの魅力といえばライブです。本人も「命を懸けてきた」と説明するほどに、GACKTさんの音楽活動の心臓の部分でありました。

「〜はCDよりライブの方が良い」なんて言葉、聞き飽きてると思います。

実際に、自分が知らないだけで素晴らしいライブをしてるミュージシャンは世の中に多くいると思います。

しかし、GACKTさんのライブは事情が少し違います。

「moon project」という物語を、小説、映画、舞台を駆使して、最後にはライブに繋げて表現するという、気が遠くなるような緻密な作業をしてるのです。

物語の最後の砦であるライブでは、演出がとにかく凄まじいです。

特に物語に関係する第1章と最終章の演出は他のライブでは感じることのできない感動があります。もちろん、その他の章でも、良い意味でやりたい放題やってるので楽しいです!

GACKTの歴代ライブでの衝撃的な演出ランキング

演出 曲名・ツアー名
5位 太鼓の達人 小悪魔ヘヴン/Requiem Et Reminiscence II(2009)
4位 着ぐるみでの激しいダンスナンバー OASIS & GHOST/KHAOS(2020)
3位 息絶えてのフィナーレ 雪花月/LAST MOON(2016)
2位 特別装置で雨を降らす rain/下弦の月(2002)&上弦の月(2003)
1位 馬に乗っての登場 opening/DIABOLOS(2005)

5位 小悪魔ヘヴンでの猫の手

今では多くのアーティストが映像を使って表現の幅を広げていますが、GACKTさんほど早くに洗練された映像を遊びをしてた人はいません。

個人的にびっくりしたのは2009年のRequiem Et Reminiscence IIでの「小悪魔ヘヴン」という曲でのゲーム感覚の遊びです。

モニターには太鼓の達人のようにリズムに合わせて手を合わせるという参加型の演出がされたのです。

このライブ以降は、太鼓の達人のようにペンライトを振って盛り上がる演出に進化していき、今ではGACKTさんのライブの新しい定番となっています。

4位 猫の着ぐるみで激しく踊る

GACKTさんのライブは、2000年のライブからUKという曲で猫の着ぐるみダンサーが登場するようになってます。

規模の大きいライブツアーでは、必ず猫ダンサーが登場するのが定番。亡き友人であるkamiさんのために作ったUKという曲で、ネコダンサーは活躍してきました。

GACKTさんのライブにもグッズに猫の手や耳が販売されており、今ではGACKTさんのライブ会場に行くと猫耳を付けた女性を多く見かけます。

この着ぐるみを着てのダンスというのは、簡単なフリであっても動きを大きくしなければいけないので大変。さらには暑くて重たいので、油断すると脱水症状を起こして倒れてしまいます。

そんな辛くて苦しい猫の着ぐるみでのダンスを、まさかの激しいダンスナンバーの曲で踊って見せたのが2020年のKHAOSツアーです。

普段はカッコ良く決めて踊る曲を、猫ちゃん達が踊っているのですから、見てるこちらからしたら楽しいです。が、中に入ってる人はどれだけしんどいのでしょうか。

ライブの裏側に密着したドキュメントでは、新人のダンサーが倒れ込む姿が放映され、物議を醸しました。

無駄な遊びのように思えることを命を懸けてやる、GACKTさんらしくて好きですが、一緒に仕事をしてる人は大変ですね。

残酷な無茶振り演出だったということで歴代の中でもインパクト強いです。

3位 ライブの最後に息絶えてエンドロール

GACKTさんのライブにアンコールが存在しないのは、最終章の演出が重たすぎることが関係してます。最後にライブTシャツを着て登場して華やかに歌い上げてバイバイなんてライブは一度もやっていません。

特にムーンプロジェクトの最後であったlast moonでは、最後の最後にGACKTさんが椅子の上で息絶えて終焉するという、あまりにも浮離れしたフィナーレでありました。

俳優としてのキャリアも重ね、演技力が成長したことで出来た演出だったと思います。

息絶えた後は、先に逝った仲間たちの火の玉が登場し、最後は一緒にジャレあって終わるという、悲しくも感動的です。

2位:本物の水を天井から雨のように降らす


2002年に発表されたmoonという曲はGACKTさんの名盤です。さらには「rain」という曲は世間に知られてないGACKTさんの名曲です。

2002年と2003年のライブでrainを歌唱する際、特別装置で天井からずっと雨を降らせるという驚異的な演出を行いました。

この曲は2003年に公開された映画の中で、仲間の一人が亡くなるシーンに降っている雨を謳った曲であり、会場にいた方は映画での悲しいシーンを雨の演出から連想を重ね涙を流したことでしょう。

1位:馬に乗っての登場


これはとても有名な演出ですね。

GACKTさんにとって最初で最後の東京ドームでのライブ「diabolos」のオープニングで見せた演出です。

まさかの馬に乗っての登場!

暗いドームの通路を馬で猛スピードで走ったのはGACKTさんが最初で最後だそうです。許可を取るのがとても大変だったそうです。

元々は音の悪さなどを嫌い、東京ドームでのライブに否定的であったGACKTさん。

ですが周囲のスタッフの説得により思い出の意味を込めて承諾し開催。

やるからには徹底した演出をやりたいということで、演出にコストをかけまくった結果、動員数は優秀ながらも赤字だったみたいです。

演出がなければ今のGACKTはない

ミュージシャンのライブなのだから、ただ曲が聴ければ良いと考えるオーディエンスが大抵であります。GACKTさんもテーマに絞ったライブをしなければ、ここまで斬新な演出を行わなかったことでしょう。

GACKTファンとしては、GACKTさんのこれまでの演出はやって正解だったと思います。テーマ縛りのライブをやった恩恵は十分に受けてると思います。

GACKTさんの俳優としての本格的なスタートというのが大河ドラマ「風林火山」。これ以降の俳優のキャリアのおかげてmoonプロジェクト自体に奥行きができ、言葉では言い表せないような衝撃の感動をもたらせてくれたのですから。

実はこのドラマのオファーは、NHKのドラマスタッフがたまたまテレビでGACKTさんのライブを拝見し、馬に乗って疾走してるGACKTさんの姿を見て決めたもの。

そして、その後に父として慕う緒形拳さんと出会ったのも同ドラマです。

元々俳優を続ける気がなかったGACKTさんですが、緒形拳さんに教えてもらったことを止めたくないという理由で、現在までにコンスタントに俳優業も続けているのです。

GACKTさんは2019年に「翔んで埼玉」で日本アカデミー主演男優賞を受賞しましたが、あの賞は2005年のdiabolosで馬に乗る演出をしなければ有り得なかった栄光だったのです。

そう考えると、当時アンチ東京ドームであったGACKTさんを説得し、さらには大赤字を我慢して大規模な演出にGOを出したスタッフの手柄でもありますね。

GACKTの副業とライブ

最後に言いたいのは、GACKTさんが実業家として活動する理由の1つにライブがあるということです。

もともと、利益を追求してないライブを続けていたGACKTさんですが、ライブを開催するのに必要なお金の工面には苦労してるようです。

GACKTさんが副業を続けている理由の1つに、ライブに投資できるお金が必要だということもあります。

もともと、コアなファンを狙ったブランディングで来たGACKTさんなので、ファン数的にライブのお金を音楽活動で稼ぎ、その余白で結構することが難しいのです。

よくテレビでGACKTさんの副業や私生活の姿が放映されると、GACKTさんを「金の亡者だ」というような意見をネットで目にします。

が、実はファンを楽しませたい一心でもあることも知って欲しいです。

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