GACKTさんのファンなら誰でも気になったことがある「Caparison」というギターブランド。
GACKTさんの超個性的なギターと、Chachamaruさん、YOUさんとCaparisonさんのギターもCaparisonだと知られてます。
最初は海外の珍しいブランドだと思っていましたが、生粋の国産ブランドであります。
日本ではGACKTさんメンバー以外に聖飢魔IIのメンバーが使用してることでも知られ、海外ではヘビメタ系のギタリストが主に愛用してます。
キャパリソンギターの歴史
すでに生産が終了しているにも関わらず、現在も根強い人気を誇る「国産ジャクソン」。
実はこのブランドを手がけていた熟練クラフトマン達によって立ち上げられたのが「Caparison Guitars」です。
キャパリソンも、完全なる国産であります。
1995年に立ち上げ、実質販売は1996年から始まりました。
現在はヨーロッパのHM/HRアーティストを筆頭に支持を集めてます。
今ではアメリカのエンドーサーも多く抱え、国内よりも海外のヘヴィ好きの間で知られてるギターブランドです。
母体・共和商会が破綻しイギリスの会社に買収される
Caparisonは2011年5月6日に母体である共和商会が破綻し、2011年5月9日を持って全業務を終了してしまいます。(負債額は約8億5000万円)
その後は2011年10月12日に「Caparison Guitar Company 」として再出発。Caparisonは、当時のイギリス販売代理店が設立した会社に買収され、代表者はGeorge Osztreicher 、Gabriel Osztreicherとなってます。
新体制になって以降は、イギリスに本社を置きながらも、東京に"Caparison Guitars DESIGN"というデザインオフィスを置き、デザインは変わらず国内で製作されています。
そして、実際の製造は加藤楽器製作所(名古屋市)により行われています。
現在月産生産本数が30本前後。海外に輸出する物と御社に卸す本数を分けているので、かなり少ない印象です。海外が約15~20本、日本が10~15本位と海外に輸出する本数の方がわずかに多いです。
Caparisonのギターの音の特徴
気になるのはCaparisonのギターの音です。
特徴としては斬新な外観とは裏腹に、音は太く美しいサウンドで、ヘヴィ系のアーティストと親和性があり、同ジャンルのギタリストに広く支持されています。
また、中低域が滑らかに響くよう計算されて作られており、ダウンチューニングを多用する音楽との相性はバッチリです。
ネック裏がフラットに仕上げられているのも速弾き系ギタリストには重要なポイントです。この特徴も欧米のヘヴィ層に大受けしてる要因だとされています。
実際はGACKTさんの音楽のようにヘヴィ以外の音楽にもマッチし、モデルごとに無駄なくツボを押さえた実戦仕様のスペックを誇ります。
国産の高級ギターブランドですが、愛用者は海外アーティストに多く、海外のブランドだと思われがちですね。
プロ使用と分別せず販売
このキャパリソンギターのすごいところは、一般に売られてる商品も、プロの手元に届くギターと同じクオリティであることです。
元々はコストパフォーマンスモデルとハイエンドモデルと2つのコンセプトで発表していたそうですが、パフォーマンスモデルはすぐに廃止されたそうです。
2006年からラインナップの全モデルがプロフェッショナル仕様にグレードアップ。
Caparison Guitarの概念として、1つのモデルをスペックだけ落として価格を下げるという事はしません。(ベーシックなスタイルを変えずにピックアップだけ変更出来るとか、コントロールが変更出来る位はしますが)
Caparisonはプロエンドーサー用のギターと全く同じ生産ラインにて制作・組み込みが行われています。エンドーサー向け(プロに提供するギター)のギターと市場に出回る製品に基本的なクオリティの差はありません。
高品質な配線材を使用し、プロフェッショナルギターと同等のクオリティを実現しています。
つまり、この世に存在する全てのCaparisonはプロ仕様ということです。
GACKTとCaparisonとChachamaru
国内ではCaparisonは「GACKTのギター」というイメージが強いですが、長年サポートメンバー兼バンドマスターを担当していたChachamaruさんの影響だとされていました。
このChachamaruという方は、Caparisonの最初のモデル「Horus」の開発に関わったとされます。
Chachamaruが開発に携わった初モデル「Horus」
1995年にCaparison最初のモデルとしてデビューした「Horus」。
登場した当初からルックス的にも絶大なインパクトを放つ27フレット仕様のギターです。
マホガニーボディ、メイプルネック、エボニーorメイプル指板というウッドマテリアル。
27フレットに628mmのミディアムスケールと、使いやすさに特化したサイズ感です。
また、27フレットモデルのための専用のフロント用ピックアップを開発し、 高出力でCaparisonの醍醐味であるサウンドをフロントピックアップからしっかり出すことができます。
GACKTが使用してるCaparisonギターのモデル
GACKTさんのソロプロジェクトを初期から支えたChachamaruさん。
GACKTさんがCaparisonを使用するようになったのは、Chachamaruさんの紹介からです。
GACKTさんが初めて公でCaparisonを見せたのはMirrorのMVです。
このMVで初めて登場したGACKTさんのCaparisonギターの名前は「Marcury」です。
この名前は Gacktさんが自ら命名しました。
ギターデザインまでも自らやったということで、GACKTさんファンにはたまらないアイテムです。
過去にはこの貴重なMarcuryふぁ限定で100本発売されました。ボディトップにモデル名とシリアルナンバーが入り、ハードケースの棺桶もGACKTさんのアイディアだったそうです。
過去にCaparisonの仕事に従える方が、ブログ内でGACKTさんからギターのオーダーを取った際のやり取りを綴っていました。
GACKTとキャパリソンの出会い(引用)
CaparisonのスタッフはChachamaruさんからGACKTさんの紹介を受けてギターを製作されました。
当初、GACKTさんは新曲「mirror」のMV用にギターが必要でした。
あまり時間がない中、GACKTさんはスタッフに凝ったデザインをリクエストし、Caparison側は急ピッチでGACKTさんの要望に応えたそうです。
GACKTさんは自らギターのイメージをデッサンしCaparisonのスタッフに渡し、そのデッサンを持ち帰ったスタッフはプレッシャーを感じながら製作に望んだそうです。
次に彼は、とんでもない事を言い始めた、ギターを大理石で造れないか?我々は、この要求には答える事が出来なかった。(なぜなら、もし仮に出来たとしても持ち上げる事が出来ないくらいの重さになってしまう。いくら鍛えているGacktにでも弾く事は出来ないだろう。)
しかし、何とかリアルな大理石模様を塗装する事が出来た。 何とか1ヶ月で1本を完成させた。彼はそのギターを持ってアメリカに旅立った。
我々ギターメーカーとしては、納得行く出来ではなかったので、再度完成度を高める作業を行い白い大理石模様のギターと、さらにGacktのアイデアを詰め込んだアーチドトップのギターを完成させた。
Gacktはこれら2本のギターに名前を付けた、白い大理石模様のギターがMarcury、濃い緑の大理石模様のギターがVenusとなった。Gacktは、細かい所までもこだわる。 ギターを入れるハードケースまでもが彼によると普通のものではなくなる。
ギタリストではないのに、ここまでギターにこだわるとは、さすがGACKTさんですね。
当初は大理石の素材をガチでリクエストしていたのは驚きの逸話です。
【Marcury】GACKTのCaparisonギター1
27f6単弦。
弦長24 ¾inchで指板はローズウッドにジャンボフレット。
棹はハード・メイプルのボルト・オン接続でカッタウェイはなし。
胴材はマホガニー。
ブリッジはGotoh GE-103 BT。
テイルピースはGotoh GE-101 ZT。
ペグはGotoh SG38-07。
PUはフロントがCaparison TRA。
リアがCaparison BH-IIR。
コントロールは3点のミニスイッチ。
表面塗装はホワイト・マーブル(当初胴材を大理石でオーダーしたが物理的に無理であった)。
定価25万円で100本生産され、現在でもオークションで取引されています。
【VENUS】GACKTのCaparisonギター2
15f6単弦。
16f~27f間をフレットレス。
棹はメイプルのボルト・オン接続。
弦長24 ¾inchで指板はエボニーのジャンボフレット。
カッタウェイは無い。
胴材はマホガニー(アーチ・トップが採用)。
ブリッジはシャーラーS-FRT II(アームが使用可能)。
ペグはゴトーSG38-07。
リアが同BH-IIR。
コントロール系は3点ミニスイッチ。
定価30万円。
その他のGACKTのCaparisonギターのデザイン
オマケ:ギブソンレスポール を抱えるGACKT
バルハーツで「ガーシー」を演じるGACKTさんはギブソンのレスポール を使用してます。
パンクな曲に合わせてのことなのか、ブルーハーツのギターに合わせたのかは謎です。